NEWS RELEASE

「里山通信」によるIoTネットの全域整備を愛媛県久万高原町が公式発表

久万高原町は29日、「里山通信」による、LPWA通信網「町まるごとIoTネット」の町内全域整備について、公式発表を行いました。


左<久万高原町河野町長による発表の様子>、中央<現地メディアによる現場取材>、右<「ジオチャット」>


株式会社フォレストシー(代表取締役 時田 義明)の「里山通信」と愛媛県久万高原町が共同で構築した「町まるごとIoTネット」が、運営開始に先立ち29日 愛媛県内の報道関係者に向けて公開され、実際に使われる弊社製の機器なども紹介されました。自治体がその区域全域を網羅する独自のLPWA通信網を整備することは、全国初の試みです。

久万高原町は急峻な山と谷が連なる四国山地に位置する愛媛県最大面積の町で、総面積は583.7km²と東京山手線内側の面積の約9倍の広さを持ちます。さらにその90%が森林であることから、携帯電話の電波が繋がりにくい地域が点在しています。町の基幹産業の一つである林業は全産業の中で突出して労働災害の多い業種であり、林業従事者が万一の事故の際に即時救助要請ができない場所があることが大きな課題でした。

「里山通信」は、LPWAの中でも強力な250mWの出力をもつ独自の通信規格GEO-WAVEを用い、他に類をみない遠距離通信能力と、中継機によるメッシュマルチホップの技術で、役場屋上の親機とわずか二十数機の中継機で、広い町内全域をカバーする通信網を構築します。また、他の通信網整備と比べ非常に低コストで構築・運用が可能なことも採用となった理由です。林業従事者に小型のウェアラブル端末「ジオチャット」を町から貸与することで、事故の際のSOS発信、GPSによる正確な位置情報の把握を行います。スマートフォンとの連携でチャットによる文字通信も可能なので、事故状況や山中の作業報告だけでなく、需要供給情報など、今後の「スマート林業」化に向けたリアルタイムな情報の共有にも活用することができます。

2020年1月下旬から中継機を順次設置し、2月上旬より運用開始の予定。久万高原町は今後、防災目的の水位情報や地滑り監視、鳥獣害対策、農業IoT、高齢者の見守り、不法投棄対策などへの活用も検討中で、「里山通信」もこれら総合的な「町まるごとIoTネット」の整備に向けて全力で取り組んで参ります。

久万高原町 ウェブサイト https://www.kumakogen.jp/soshiki/2/9598.html


■PDF版はこちらから 20200129里山通信-久万高原町NR